むかわで旅めし

むかわ町 観光案内 スペシャルコンテンツ

僕は、写真とうまいものが好きな40代男。

奥さんと中学生の娘は大の仲良しで、二人でどこかへ出かけるのが週末パターンだ。そんなとき、僕はぶらり一人で旅に出る。むかわ町には、どんな出会いと発見があるのだろうか?

熱い夏がやってきた
祭りを目指して、むかわ・穂別へ! 祭りを目指して、むかわ・穂別へ!

今週末、娘は部活の合宿、奥さんは友だちと温泉旅行へ。なら、僕も出かけようかなとプランを練ると、お、むかわ町穂別地区でお祭りがあるらしい。

「むかわ町穂別流送まつり」…流送ってなんだ?興味が湧いた僕は、またまたむかわを目指した。今日も晴れている。むかわ日和だ!

恐竜?アンモナイト?おいしいパンを発見!

穂別地区に向かう前に、まずは鵡川地区の「ぽぽんた市場」へ。今日のお目当ては、隣接する「むかわ夢風船」という町のパン屋さんだ。

就労継続支援B型の施設で「とてもおいしいんですよ」と前に訪れたときに町の人の評判を聞いていた。

今日の昼は、ここのパンめしにしようと決めた。さて、どんな味が楽しめるのか?

おっと、恐竜の町だけに「恐竜のしっぽ」!コロネパンにつくねを合わせた味で、これが一番人気らしい。

さらに恐竜オシ!「恐竜クッキー」…焼き菓子もあるのだ。

お店のスタッフのオススメで、「恐竜のしっぽ」と「アンモナイトパン」をゲット。アンモナイトパンは塩パンでバターが効いたおいしさらしい。

そして、隣のぽぽんた市場に寄って旅めし食材を調達。みずみずしい夏野菜が、見るからにおいしそうだ。

冷蔵コーナーの一角でむかわ産のチーズを発見!鵡川地区では酪農もやっているのか?「ASUKAのチーズ工房」気になるなあ…

近くの広場の木陰で焼き立てパンのランチ。恐竜のしっぽは、つくねと魚肉ソーセージの合せ技。アンモナイトパンは、めちゃめちゃバターが効いている。とってもおいしくいただきました!

ASUKAさんは、チーズに真っ直ぐな人だった

ぽぽんた市場で見たASUKAのチーズ工房って直売所とかあるのかなあ?ちょっと寄ってみよう。カーナビに住所を入れて車を走らせた。

ネットで調べると、チーズ工房は牧場の中にあるらしい。田園風景の奥に牧場らしい建物があった。

小さな坂があって下りていくと、工房らしき建物。近づいてみると、中から人が現れた。

「こんにちは、こちらがチーズ工房ですか?よかったら、チーズのお話を聞かせていただけますか?」と聞くと、「いいですよ」と女性は笑顔で応えてくれた。

女性の名前は、北川飛鳥さん。「CHEESE SHOPと掲げているけど、ここではチーズは売ってないんですよ」と言いながら工房の中に通してくれた。

「この工房は実家の毛利牧場の中にあり、牧場運営は父と弟が、チーズ加工は私と母が行っています」見せてくれたリーフレットには「はじめのチーズ」「秘密のチーズ」といった気になるネーミングが並んでいた。

「中を見てみますか?」と熟成室の中に案内してくれた。中はひんやりと涼しく、熟成を待つチーズたちが静かに並んでいる。

「チーズづくりは、牛乳と塩だけで味つけをし、発酵を調整して味の変化を出す作業。難しくも面白く、同じものは二度と作れないかもしれません」

「大切なのは、生産者の押しつけやこだわりを持たないこと。ミルクの、素材のうま味を引き出し、丁寧なチーズづくりを心がけています」。飛鳥さんの言葉には、チーズづくりに対する誠実な思いを感じる。

牧場を見せてもらうと、放牧中の牛たちがのどかに佇んでいる。「この地域の土は米作や畑作向きで、牧草をつくるのは贅沢なこと。農業が豊かだからこそ、質の高い牛乳づくりができるのです」。突然の来訪にも関わらず親切に応えてくれた飛鳥さん、本当にありがとうございました!

ポレポーレのご主人は、素敵な恐竜マニアだった

車は、鵡川地区から穂別地区へ。「むかわ町穂別流送まつり」見物は明日にして、1日目は穂別地区でのんびり過ごすことに決めた。

穂別地区の中心部にある「ポレポーレ」という民宿が今日の宿。まずはチェックインして、ちょっとひと休み。

廊下にはマンガがぎっしり詰まった本棚があり、アニメ系のフィギュアがたくさん並べられている。ここのご主人は、相当なマニアなのかな?

ここでは民宿のほかに恐竜ショップも経営しているという。ご主人がお店にいるそうなので、のぞいてみることにした。

ご主人の名前は、宮崎修さん。2019年の胆振東部地震の影響で民宿業を引退した方から奥さんが引き継ぎ、町職員だった宮崎さんは2020年に役場を退職して経営に加わった。「恐竜ショップぽれぽーれ」は2022年にオープンしたという。

店内には、むかわ竜のオリジナルの缶バッジや恐竜アクセサリー、ぬいぐるみやフィギュアなど、約1,000点のアイテムがズラリ。

宮崎さんはもともと恐竜好きで、地域を活気づける拠点にしたいという思いで、このショップを始めたという。民宿の敷地には、日ごとに違うキッチンカーが出店し、町のグルメスポットになっている。

宮崎さんに好きな恐竜は何?と聞くと、「かっこいいのはティラノサウルスだけど、やっぱりカムイサウルス!クビナガリュウのホベツアラキリュウも個性的で好きですね」と笑った。

穂別地区には温泉があるということで、夕食前にひと風呂浴びようと行ってみた。「樹海温泉はくあ」。建物の奥には森林が広がっている。

泉質はカルシウム・ナトリウム・塩化物泉で芯から温まる。原生林を眺めながら入浴していると、運転の疲れが癒された。

温泉から上がってくつろいでいると、女性スタッフが「この前、すぐ近くでクマが歩いてたんですよ」と教えてくれた。マジか?森が近いからなあ…クマも出るよなあ…

思いつきで、まちの民宿に飛び込み宿泊

穂別地区にイタリアンのお店があると聞いていて、事前に予約していた「Cucina Suzuki」へ。基本的に予約でしか食べられないお店だという。

オーナーの鈴木さんは、札幌でデザイン会社を営んだ後、穂別地区に移住し、5年前にこのお店を開業したという。「釣りが好きで、鵡川があるこの地に住み着いた感じです。できるだけ地元の食材を使い、素材の良さを生かした料理を楽しんでほしいですね」

この日の料理は、まずは桃のカプレーゼ。フレッシュな桃とモッツァレラ、バジルの相性が抜群だ。

イカとイカスミのうま味たっぷりのスパゲティは、コクのある味わいがたまりません!

自家製のフォカッチャは、塩味のきいたシンプルな味わい。オリーブオイルの風味が香る。

平取黒豚のローストは、驚くほど柔らかな口当たり。カリフラワーのソース、トリュフオイルのソテーが風味を高める。

遠方から訪れ、宿泊しながら料理を楽しむ人も多いというお店。わざわざ足を伸ばして行きたくなる味が、ここにある。

もしかして日本唯一!?人間流送競技が面白い!

2日目は、今回の旅のメイン「むかわ町穂別流送まつり」。会場の穂別ふれあい公園は、祭りを楽しむ人が集い賑わっていた。

露店が立ち並び、お祭りらしい味わいがいっぱい。なんだか楽しくなる。地方の祭りをめぐる旅もいいものだ。

この日はめちゃ暑かったので、アイスで一服。流送まつり限定の「ともりんアイス」は、鵡川高校生が考案したそうだ。

穂別地区特産のカンロ「ともりん」を使ったアイスは、濃厚なのに甘さがスッキリ、暑い夏にぴったりのおいしさだった。

そして、お祭りのメイン「全道人間流送競技大会」を観戦。この競技は、開拓時代に鵡川で木材搬出のために行われていた造材流送の様子を、人間を木材に見立ててゴールを目指すというもの。

川の中でメンバーが組み合って「橋」となり、その上を一人が歩く。後ろのメンバーが次々と前に進んで新たに「橋」となり、チーム全体で進んでいく…わかるかなあ?

男女混合の競技だが、選手たちは相当体力を消耗している感じ。たぶん穂別地区でしか見ることのない、見ごたえのある面白いレースだった。

心と体にやさしいランチは、大満足のおいしさ!

お腹が空いたので、お昼は「Café木蓮」でランチ。地産地消と手づくりにこだわるアットホームなお店という評判で行ってみた。

役場に勤めていた料理好きの奥さんが、初代オーナーから「札幌に移転するので店を継がない?」と誘われ、ご夫婦で店を切り盛りしているという。

いちばんのオススメということで「メンチカツ定食」を注文。自家製のデミグラスソースが絶妙に美味、ボリュームたっぷりの卵焼き、自家菜園の健康野菜を使った料理など、やさしい味わいがたっぷり楽しめた。

「これ、おみやげにどうぞ」と自家製のトマトジュースもいただいた。味わいも、人柄も、あったかいお店。ごちそうさまでした!

お祭り会場で穂別産メロンを買おうとしたら、売り切れだったので特産品販売所の「もぎたてハウス」へ。

穂別産メロンは、道内有数のブランドメロン。これは買うしかないよね!さらに、ともりんアイスに使われたカンロやブルーベリーもゲット。穂別産の旬の味覚をたっぷり収穫でき、家に帰ってからの調理が楽しみだ!

今度は家族と行きたい、気持ちいいキャンプ場

札幌への帰り道、穂別キャンプ場の看板が見えた。キャンプ好きの友だちが、ここを推していたのを思い出した。ちょっと寄ってみますか。

敷地に入ってみると、広々としたキャンプフィールドが広がる。小川が流れていて、川遊びを楽しんでいる家族連れがいっぱい。奥にはバンガローが並んでいる。気持ちよさそうなキャンプ場だ。

センターハウスの管理者に話を聞くと、ここは「できるだけ自然のままで」という思いで造られたと言う。広々としたフリーサイトや川辺のオートサイト、森に佇むバンガローなど、多彩なバリエーションが人気らしい。

BBQグッズから地元の食材まで、センターハウスで調達できる。なんと手作りのピザを焼くことができるピザ釜も利用できるとは!ビギナーでも快適に利用できそうなキャンプ場だ。

さて、そろそろ札幌へ帰りますかね。空を見上げると、むかわ竜みたいな雲が浮かんでいた。

おいしさも、涼しさも満喫、夏の旅めし!

A4クラス以上の肉質を誇る絶品ハンバーグに、ASUKAのチーズ工房のカチョカバロが最高に絡む!

夏を涼しくする素麺、つゆはむかわ産のししゃも醤油で。ぽぽんた市場で買ったナスとトマトの夏野菜をトッピング。

ぽぽんた市場のズッキーニとトマト、ナスを煮込んだラタトゥイユ。夏のおいしさが凝縮して、ビールやワインと相性バツグン!

とうもろこしごはんに、ズッキーニとトマトの味噌汁、冷奴には小坂農園の麹と青南蛮でつくった三升漬を添えました

デザートは、もぎたてハウスで購入したメロンと「ともりん」、ブルーベリーでつくったフルーツポンチ。夏の旅めし、ごちそうさまでした!

1億年の記憶が眠る場所。
MUKAWA DINO WORLD
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